[安心したように笑うベリアンには小さく首を傾げ、溜息ひとつ] 俺が……俺らが因子持ちだってのは お前も知って ……いや知らなかったんかな どうでもいいや[王子も、その言葉の続きはなんだろう。こちらから聞く気はなかった。ベリアンの王子に対する心酔話は、至極つまらない。そう、思っていたから] ……本?[差し出された本。その表紙。それを見れば合点がいったようにうなずいてみせる]