【見】 【墓】 楽天家 ゲルト

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　もし、神が僕の死をお望みになっているとしたら、
　僕はこの身を差し出すことが出来るだろうか。

　『始まりの死者たれと　定められし者よ。』
　
　そう呼ばれてからずっと抱えていた命題。
　答えは出せなかった。

　せめてその真意を知りたいと思った。
　それが本当に神の意思で、
　村の為になるのかを知りたかった。

　否、本当は怖かった。
　生きたいと願ってしまった。

　こんなことを定めたのは神様ではなく、
　別の存在だと思いたかった。

　『運命を　己が手で』

　そう言われて心が揺れ動いた時点で、
　僕の信仰は既に傾いていたのかもしれない。]