『打ち殺せ』って!
え、そんなの……
[あまりに物騒なその言葉に、思わず声を上げるが、]
ん、ああいや、
『傷つける魔法の杖』……って?
それも、なんか今までみたいに、
意味があるものなのかな。
[いままでこのラボで見たもののなかで、思い当たるものは、自分にはないのだけれど、どうだろう。
今目の前で話しているフギンは、いつもの口調とは異なって、まるでその口を借りて、機械が話をしているような様子にも見える。
『傷つける魔法の杖』で、我を打ち殺せ――…
具体的には、何をするのだろう。
それに、『思考』の解放――ラグナロクの停止? を試みるには、きっとプログラム・バルドルという方が必要になる……ように、読めるのだけれど。
その方向で、よいのだろうか?
空に映し出される二つのプログラムの情報とフギンを見比べながら、
まだ考えなければならないことや、見つけなければならないものがあるような気がした。
――いい加減頭が煙を吹きそうで、うがー、となるので、
そこにいる面々の顔をぐるり、見渡し、
皆がどう考えているか、語られる考えが有るなら聞いていただろう。]