[魔剣が傍らに舞い戻る。歌うような刃鳴りの音。指先を伸ばして柄を握れば、それは腕の筋肉と小気味よく共振した。] これは狩りだと言うならば。[城主の申し出に頷き、魔剣の柄頭を胸に、改めて名乗る。] リエヴル・コウ。 [リエヴルが連なるコウ家は、「あれは”家”ではなくコウ”軍”だろう」と言われるほどの武辺の血統である。そして、リエヴルが好んで”餌”とするのは、吸血鬼狩人《ハンター》であった。戦いは、吸血鬼になる前からのリエヴルの生業であり、性《さが》ともいえる。]