聞き取りにくかったらすいません…あー…えっと、声、出ないんで…
ええと、僕は、近いうちに、その…僕はこの村を出ようと、思います……
[どこからどこまで伝わるだろう。
今の今まで嫌っていた能力に、今だけは心から感謝しつつ]
本当は、この村の行く末を、最後まで…ええと、見届けるべきなんでしょうけど…
ちょっともつか微妙、なので。
[話すことで強く意識したのだろう、男の姿は先程よりも幾分か薄く]
…未練があったら、この地に縛られそうなもの、なんですけど。
[あのような最期を迎えた男に、未練がないということがあるはずはなく。]
……誰とは言いませんが、全力でぶん殴ってやりたいとは、思うんですけどね。
[恨みがましそうな言葉をぽつり。対象は言うまでもないだろう。]