[ついて来る気配を背中に感じながら、向かったのは城壁と塔に囲まれた庭の一角だった。適度に広くて見通しが効き、適度に人目が遮られている場所。ついて来ようとする兵を追い払って、人払いしろと言っておく。側にいるのは、足元の大きな黒狼のみ。もっとも、並の人間ならば気づかない>>0:19 だろうが。] ―――で、 まさか本当に、たまたま馬を見つけたから届けに来ただけ ……ってことはないだろ?[改めて相手と向き合って、問いを投げる。推測というよりは勘、もしくは期待に基づくものだったが。]