― 夜明けを迎えた後の宿屋で ―
――――…いや……、嫌っ……、
[カタリナが宿中に聞こえんばかりの悲鳴を上げていた頃。>>99
その、カタリナにさえも聞こえない声で、
無残な姿となった自分の身体を前にして、
嗚咽を漏らしていた。
カタリナの、呼びかけるような声に意識は浮上して。>>97
すぐにこの惨状に気付いて、叫んだのに、
彼女達の名を呼んだのに。
カタリナにもゲルトにも聞こえていなかった。
この場に何も影響を及ぼせない自分の代わりに、カタリナが叫んで。
それで、ようやく他の人も、気付いてくれた]