ー夕方・広間ー
…いててて
[相も変わらず、昼過ぎに起きた俺は、酷い頭痛に苛まれていた。
ふつかよい、と言うらしい。
ドラが「薬をあげるわよ?」と言ったが、くすりは臭いからキライだ…と答えると、パチクリと目を瞬かせ、クスクスと笑う。
俺は、そのふつかよい、の所為で、今日1日犬の姿で、だらりとしているのだ。]
…うー…地面が揺れてるみたいだ。
[木陰で丸まって、唸っていると、どこからかいい匂いがしてくる。]
シジミ?
…グレープフルーツ?
はちみつ?
[所々聞こえる単語を、耳が拾う。
それが二日酔いに聞く食材だと知るのは、もう少し後のことだ。*]