[無辜の血と汚泥に塗れた事は、『クロイツ』にとっては寧ろ転機であったと言えるだろう。望まれる侭に殺し、望まれる侭に微笑み、依頼者に勝利と快楽を与え得る優秀な肉塊として。――半年後の戦勝の夜、閨で望んだ唯一のものは、己のささやかな兵団をつくりあげること。そのために、今は四散している鋼の民の遺児たちを保護して欲しい。それだけの、児戯のような代物だった。*]