[少女は運命を受け入れるように瞳を閉じる。
次に目を醒した少女の視界に飛び込んで来たのは、何処までも続く銀世界。
世界の全てがこの舞い踊る風花の中に消えてしまったみたいだった。
白・・・・
すべてに優しく、すべてを癒し、すべてを隠す
すべてを晒し、すべてを暴き、すべてを見せる・・・・
少女の身体は凍える吹雪に持って行かれてしまった。
視覚を失った少女に映るのは色を失った白い世界。
風が舞う。けれど、その風の音さえも聞こえない。
少女は聴覚も奪われて、
ただ、静寂に包まれて、淋しくて残酷な白い世界の中にひとり残されてしまった。]