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……そういえば…『恋天使』は、“誰”だったんっすかね…
[ふと、思ったことが口から出たけれど。
これは口に出さずとも良いことと、すぐ後悔した。本当に、要らない話だったと思う。
ただまあ、その『恋天使』が切欠だというのならば一応感謝するべきな気がするし、
道連れにしたという多少の恨みもあるわけで。
それに生贄にされそうだったというのは、考えてみれば少々複雑な話である。
もう随分前のことな気がするけれど、
「恋人になるのは名誉なこと」ということに、「それは本当に幸せなのか」と返したことを思い出す。
今となっては―――大切なものに気づいた今となっては、生贄にされるのは勘弁願いたかった、わけで。
―――死んでしまった今となっては野暮な話かもしれないけれど。
文句のひとつも、言いたいのだ。]