[腕の腫れは引いたが、残る残滓を治めるのに苦心する。気持ちのいいことは嫌いではない。だからこそ、一度感じてしまった毒を、無意識の内に留めようとする身体に、苛立ちを隠さぬまま唇を噛んだ。与えられた毒を制御する方に意識が向き、警戒を怠ったのもまた不覚。闇が広がりきってしまう前に逃げ出そうとするも、以前より進みが早く、足に力を込めた先から沈んでしまう]