>>+47>>+48,>>+55[月光の天蓋は招かれざる者の闖入を許すことはない。セルウィンが目にし、耳にした光景は或いは月明かりがもたらした幻影か。されどその様子は玄室で行われたものをそのままに、隠すことなく映し出す。幼子の体躯を割り開き、気の向くままに少女を貪る贄姫のすがたも。血潮を啜られ痛みを感じながら、やがて陶然とした表情に変わりゆく少女のようすも。――幾ばくかの時が経ち。二人の吸血鬼が目覚めたとき。銀色の満月はいつか、鮮血そのものの朱に染まっていた**]