[船の同僚であるフレデリカのことは知っていて、
その仕事がどのようなものであるかは、聞いたことがあったかなかったか。
“こちら側”にいるということは、彼女も怪我をしたのだろうか。
もしや――…と、俄かに不安が押し寄せるが、こちらから口に出して問うことはしなかった。
もしかしたら、話したくないこともあるかもしれないと、そう思って。
いつも明るくて、その笑顔には人懐っこそうな印象を受けていて、
船内で出会うたびに、自分はぶんぶんと手を振って、
『おー、今日もいい天気だな!』なんて、
外の星たちの彩をさして笑い返していたものだっけ。
――彼女が内心、どのように感じていたかは、わからないのだけれど。
少なくとも戦闘要員ではないことは知っているから、
あのような獣が出た後に、一人警戒役をさせておくわけにはいかない。]
なんか色々難しいことが多くて、
俺の頭じゃ覚えきれないから、
今まで見たもの、考える時間がほしくてさ。
あー、くっそー、
せめてノートとか、
メモしていけるものがあれば…
[などと苦笑しながら、へにょ、と情けなさそうに眉を下げるのである。
そうするうちにも、彼女よりも通路側に位置を替え、
何かが現れても、大丈夫なように。]*