【墓】 旅人 ニコラス

[そもそもまじないは、特定の条件を満たしたときのみに効力を発揮する。
狼占の眼の能力者が、誰もいない場所で一人になって、物凄い精神力と体力を消費しながら、気持ちを集中させないと成功しない。しかも使えるのは一日一度のみ。

だがまじないを聞いたときに感じる美しさに目をつけた人物が、独自解釈でまじない自体を長く改変し、歌として完成させて、更に振り付けまで考え出した。
今披露しているのがそれである。

さすがにまだ僕には再現できない。

わずか4、5歳のときに狼占の眼としての能力を見出され、人狼騒動関連の知識とまじないについて叩き込まれた俺が、誰もいない墓場で、親友だけを意識して歌い踊る。]