[顔を上げて、メニューのホログラムを眺めながら話を続ける。
果たして彼女はどんな表情でこちらを見つめていただろう?
――確認するのが怖かった。]
僕は最低だ。
――僕はね、最初から君を『食べよう』と思っていたよ。
僕は最低の下種野郎だ。
君の白い首を手折るとどんな音がするだろう、
その喉元を掻っ切るとどんなに鮮やかな血が吹き出すだろう、
事切れたならその服を引き裂いて、胸や腹や太腿に口吻た後、
その肉を骨の髄までしゃぶり尽くしてやろう、
…君を見るたびに、そんな事を思い焦がれて居たんだよ。
嫌われてしまう。
だって、
[意を決して彼女の瞳を覗き込もうと]
嫌われてもいい。
だって、最初に君を見た時思ったんだ。一目惚れだった
「なんてきれいな人なんだろう。手を繋ぎたい
もっと一緒に話がしたい、その唇に口付けたい
仲良くなりたい誰にも渡したくない
」ってね。
嫌われてしまえばいい
――そう思って、食事に誘ったんだ。本当さ。