【墓】 旅人 ニコラス

[衣擦れの音を立ててマントを脱ぎ、体にぴったり合った上下長袖の服を晒す。靴は邪魔なので脱いで、裸足で立った。

俺は今よりもっと線の細い、どちらかと言えば中世的というか、スレンダーな少女？　くらいの体型だったのに。僕は五年に渡る旅の日々で、平均的男性よりも筋肉がついている。

これを見たらかつての信者？　達は、
『我々のエアネスト様が〜』と嘆くのか、はたまた
『みんな違ってみんないい。ニコラス様最高！』となるかは知らない。閑話休題。

それはさておき、僕は占いをするときに使うまじないを、節をつけて口ずさみながら踊り始める。]