[名を呼ぶ声にほんの僅か、背に触れる手に力がこもった。>>+45
背の翼は力なく下がって動いていない。
顔を見られたくないときに翼で隠す……というのは考えたこともなかった。
一方で後ろを振り向いて見るには少々邪魔な翼。
それをぐっと下げてからこっちを見ようとするしぐさには、
間違いなくかつての面影があった。そういうところは変わっていない、と思いもした]
(……そういえば、)
[少し前に見た、嬉しそうに表情を緩めたところにも、やっぱりかつての面影を重ねていた。
そうやって変わっていないところを探すのはそんなに難しいことじゃないのに、
どうしたって変わったところを嘆く気持ちの方が大きかった。
自分を責めたくなるる気持ちだって]