[貸しなど、残した覚えもない。>>127むしろ、公爵としての自覚を持たせてくれたのは、彼だった。退屈でそして陰鬱とした貴族社会の中にあって、唯一、気さくに話せる相手。そして、前線においても、彼だけは自分と普通に接してくれていた。] ――――…馬鹿野郎。 俺が受けた貸しは、あんなもんじゃ返せねぇんだよ。[あぁ、そして今も。彼は敵から己の身を奪い返し、そして自軍の統率を執ってくれている。]