[しかし、直後愛しい彼女の行動と少し枯れた彼女の声で発せられた言葉にその笑みが凍りつく。
「ウェル兄さまのことをちゃんと好きになりたい。」
一瞬の内に思考が停止する。カノジョハナニヲ、イッテイル?
ずきずきと痛みだした頭にぐらりと世界が揺れると、いつの間にか傍にいたセルウィンが支えてくれた。]
…そー、だよねぇ
ウチじゃもうシィを幸せになんかしてあげれないし
ウェルさんのが、大人だし、落ち着いてて、優しくて、シィのこと守ってくれそうだもんね
へへ、ウチ今日泣いてばっかだなぁ
[渇いた笑いと共に先程止まった筈の涙が再び零れ、枯れることを知らない塩水は自身でも驚くほどで。
再び涙を流していると、アデルがそっと抱き締めてくる。ほわりと胸が温かくなったような気がした。
2人に礼を言おうとふと顔をあげれば、ソマリと目があったような気がして―――]
っ、う…
[彼の視線、言葉に、弾かれた様に第二閲覧室を飛び出す。]