[彼女が場を去るのを見届ければ一枚。また彼は魔法の名が刻まれた便箋を取り出し、緩く口付けた。] 『 "憂イノ息" 』[唇へ触れた便箋は光の粒子へと化し、息を吹いて飛ばせば腕にある傷口を包み込む。粒子が傷口に収束した後には、傷は綺麗に塞がっており。] ……、ふぅ。[肩をゆっくり落として安堵の息を吐く。桜色の彼が攻撃魔法を苦手とする理由は、回復魔法を専門、得意とするからであった。]