――僕は、人狼なんだ。
それも、各地を転々として殺しを続けてきた大量殺人犯ってヤツさ。
お腹が空いたら殺すし、金が足りなくなったら殺すし、
変に嗅ぎ回るやつも殺すし、ムカついたら訳もなく殺す。
そういう暮らしを続けてきたんだ。
配達屋なんて嘘さ。
職業も名前も、僕が僕自身を騙すためにでっち上げた妄想だ。
[淡々と、事も無げに言葉を紡ぐ。物凄く残酷な事を話している筈なのに、こうもスラスラと言葉が出てくる自分が恐ろしかった。]
――だけど、君に話した家族の話は本当だよ?
カーマインには確かに僕の家族が居た。母と妹が居た。
けれども、もう死んでしまった――僕が『食べて』しまったから。
…ダメだよやっぱり、こんな話
[俯いて、彼女の顔を見ないようにして言葉を続ける]
きっと嫌われてしまう
…初めて食べた人間の味、今でもハッキリ覚えてる。
――美味しかったんだ。怖いくらいに。
愛する人の血肉の味は、彼女らの一部が自分の中に取り込まれていく様は、
人狼にとって得も言われぬ至福なんだ。
僕はその事に気付いてしまった。
…僕は、自分が恐ろしくなった。何もかもが嫌になった。
だから僕は、ガルーの力を借りて『