[右耳の傷跡のせいなのか、件の青年が意識的に左側を殴打していた記憶があり、そのせいかと片付けたなら、利き手ではない方の手でクッキーを一つ摘み、口へと放りこんでみる。] …………[熱の訪れは期待してなかったが、自身には味覚も残ってないらしいと、肩を落としはするものの――…少女には、味覚なり熱を感じる器官なりが残っていたならいいな、などと考えながら、クロスに包み缶へと詰める。]