― 展望ラウンジ横・レストラン入り口 ―
もう食べられはしないけど、見るだけなら、ね。
[レストラン入口のメニューのホログラムを指差しながら、あれは好き?食べたことある?なんて、ささやかな話題に花を咲かせつつ。
フロアには、ピアノとビオラの物憂げで甘美な旋律が響く。
確か地球の古い恋の歌だったか。恋人に逢いに行く男の恋心をロマンティックかつ官能的に歌い上げた名曲だ。]
…ちゃんとお別れしなきゃダメだ。
――ヴィクトリア。
[やおら、重い口を開く。]
僕が君の前から居なくなった時>>4:67、もしかすると誰かから聞いたかも知れないけど――
[果たしてこれから話す事は、彼女が心に抱いている問い>>5:83の答えになるであろうか]