[ 見知らぬ場所で油断無く構えていたから、反応は早かった。
霧の中から飛びかかってきた、真っ黒なコウモリと猿の間の子めいた異形の夢魔は、腰からの抜き打ち気味に、横凪ぎに払ったクレイモアの刃に真っ二つに斬り伏せられて、一瞬のうちに霧散する ]
時々嫌な気配がすると思ったら、やっぱりかよ...
[ 襲ってきた異形が何なのかは、男には判らない。けれど、ここに危険な存在が潜んでいるということが確信されれば、焦りは増した ]
ファミーユ...
[ 霧の向こうを睨み、案ずるその人の名を口にして、再び足を速める* ]