――図書館――
[ずらりと並ぶ、蔵書を見やる。
背表紙にはタイトル、作者名、それから図書館の貸出を示す記録票だけなのに、自然と心が踊るのが本好きの性か。
思わず手を伸ばしたら、ドアとまったく同じことが起きるだけだったが。
どうしても、ここに来たかった。アルビンと話しているのを聞いたが、ここに自分の著書は並ぶはずだったのだろうか。
アルビン次第だろうが、ぜひ並んでほしいとも思う。
そうでなくとも、新しい司書は入るべきだ。本も、図書館という施設も、よいものだと思うからだ。
蔵書を読むことも出来なかったが、それでも暫くの間ここにいた。]