[何かが変わってしまった。銀嵐が作り出した檻に囚われてから――いや、ローゼンハイムが人狼に殺され食べられてしまってから?誰が人狼で誰が人狼じゃないのか。誰が人狼にとって脅威なのか。そういう目で宿屋に集う面々を、見てきた。個人的な感情の介在する余地などほとんどなく。そこに疑問を差し挟む余地も皆無に等しいほどに。御伽噺に出てくるような表現を当てはめるなら、“神官と呼ばれる一族の血に目覚めた”といったところか]