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[亡霊のごとく透きとおった自らの躰に手を当てて、そっと撫で下ろす]
休眠を欲するのは、永き世を過ごしてきたことの対価だもの。
血だけではきっと、どんなに潤おうとも、贖えないものだわ。
[ほんの幽かに哀惜を交え、呟いた。梟をじっと見つめる]
――けれど、ガートルート。
貴女がそう云って呉れるのでしたら。私も、貴女に触れたく思うのよ。
[徐々に実在を取り戻していく古老の姿。
幼気な表情に艶を交えて。小さな牙を口元から覗かせる。
傍らに遊ぶ紅榴候の小指に唇で触れ、かぷり、と牙を突き立てた]