――Nルーム前――[逃げた場所は、Nルームであった。一応ここを目指してきたであろう女は、されど、入ることはできなかった。中に人の気配がしたからだ。誰かと顔を合わせるのは、なんとなく、嫌で。色んな思いが、溢れて制御できなくなる気がしたから。だから近くの壁に背を預けて、そしてずるずるとしゃがみ込む。蹲って、膝に顔を埋めた。**]