『現在、士官学校跡地は双方の軍の停留が見られぬ緩衝地帯になっています』
『けれど実に効果的だ』
『河川上流から毒を流せば』
『士官学校跡地に篭る一軍を個別撃破する』
[どこか遠くから聞こえる、いくつもの声]
……知ってる、声だ。
[かつて同じ学び舎にあった者たちが、帝国と公国に分かれ、それぞれの国のために戦っている。
それを知ってはいるけれど、まだ、目の当たりにしたことはない]
ここで、戦おうとしてる……。
[声が震えた。
昔のままに見えるこの「学校」と、現実の「士官学校跡地」は、重なっているのだろうか**]