私はね――少しだけ、不思議に思ったんだ。
私たちは、あのレストランが初対面のはずだ。
だのに、どうしてこうも、きみが私に好意を抱いてくれているのかと。
[――本当に、必要もないプロセス。
けれど、それでも、自分だけが気付いているのでは、フェアではないと]
客観的に、私は奇人と紙一重の研究者だ。
容姿や話術が特に優れているわけでもなし、
外見年齢だって、きみより幾らか上だ――なのにだよ。
[自虐的、ではない。単に事実を述べているだけという口調で]
私の側もね、同様で――、
若い頃に色々とあって、他人に興味を抱かないようにしていたんだが――、
その、まあ――……このとおり、きみと一緒に死ねたことを喜んでいるくらいだ。
[苦笑混じり、そう言ってから]