[身を隠しているため集中は十分に取れると思っていた。けれど、術式の完成が間際となった、その時]──…![視線の先に居るニーズヘッグが何かに気付くようにこちらへと鼻先を向けてきた。それを見てステファンは思わず息を飲む。風向きが変わったのだろうか。早まる鼓動が集中を掻き乱しかけるが、ぐ、と腹に力を入れることで気合を入れ直した]