[脚立の上で蹲り皆の様子をぼんやりと眺めていると、そばに誰かの気配がする。
はてと周りを見渡せど足りぬ人物が見当たらず、聞き覚えのある懐かしい声が聞こえればぱちりと目を見開き]
…デリー?
デリー!デリー、ウチ、会いたかった…
[水分など取っていない筈なのに、まだ流れる涙があったのか。
脚立から転がり落ちるように降りると、もはや懐かしさすら覚える同僚にぎゅうと抱き着き]
ごめん、ウチ…デリーの仇…っ、ごめん、なんにも、できなくてぇ…
[アデルの服が濡れるのも構わず、自身より小柄な彼の体を抱き込みグスグスと鼻を鳴らす。]