―名もなき草原― ……っ、あら?[てっきり抜けた先に人がいると思っていたのだが。広がる草原に目を瞬かせ、零れ落ちたのはどこか気の抜けた声。] …私、こんなところに出ようとは思っていなかったのですけれど。 迷子……いえ、考えるのは止めましょう。[誰もいないようなこんなところで、事態を進める鍵が見つかるとは思えない。浮かんだ可能性をすぐに打ち消すと、とりあえず探ってみようかと真っ直ぐに歩んで行く。]