[ローリエのことです、どうせ傷を負った彼女へ無闇に同情して、しかしその血の甘美さを知って、同情も味わいもできなくなったのでしょう。
そうして困惑しているうちにすべてが終わってしまう。
ローリエはそんな子供でした。
そして今だって、子供にすぎないのでしょう。
良かったですね、「親友」さん。
もう舐め終わってしまったというのに、ローリエは唇を繰り返し舐めていますよ。
いくら舐めたって貴方の血はすぐそこにあるのに、馬鹿なあの子は血を啜るより、貴方を撫でることに夢中なのですよ。
その目は貴方の紅に釘付けになっているというのに、まだあの子は人に戻れると――人として暮らせると思っているのですよ。]