―深夜 掃除用具入れ―[音もなく這い寄る冷気が熱を奪う。解けぬようきつく縛られた両手の感覚は随分前からない。気遣いで用意された毛布も、あまり意味はなさない。] …………。[扉の鍵を壊す音>>2。錆色の獣を前に、床に転がったまま"この人"は誰だったっけと無意味な事を考えて。響いた冷たい声にゆるりと瞬く。]