――現在――
[今日も、昨日と同じく、空気が張り詰めていたのです。
鳴り響く銃声、飛び交う血飛沫。
いえ、非常事態宣言が出てから、張り詰めていない日などなかったのですが。]
ダーフィト……。
[ハダリーさんを追っている最中、崩れ落ちるように座り込む彼>>175の隣に私はそっと座り、彼の手の上に私の手を重ねていました。
昨日から体調を崩していたのでしょうか、部屋から出て来た時間も遅かった上、どこか元気が無いように見えたのです。
――私は彼のことをあまりにも知らなさ過ぎるのです。
日々蓄積される疲労だけでなく、彼の中にある苦しみ、葛藤。]