[互いの息が合うこの感覚は、並の奴相手にあることじゃない。
動いたのはきっと、どちらが先でもない。>>+29
薙ぎ切りのフェイントに反応して跳んだ相手を、下から突く。
必中の形をひっくり返すなど、まず無理だろう。
その無理を、軽々とやってのける奴が、ここにいた。>>+31
身体が熱くなる。
これだからたまらない。]
ふっ、
[短く息を吐き、得物を蹴られた衝撃を押さえこむ。
振り仰げば上から雪崩れ落ちるように太刀が降る。
下手に受ければ、鋼でも両断する刃だ。
どうする、と思うより先に、どうしようもなく獰猛で楽しげな笑みが浮かぶ。]