わ、私はアースガルド王国軍 情報部 所属 フレデリカ伍長よ。
ここにいるのは私の友人である。
貴方たちの敵ではないはずよ。
ただちに敵対行動を停止し、速やかに持ち場に戻りなさい。
[震える声でそう告げて、威嚇のために銃を発砲する。
徴兵された際に訓練として最低限の銃の扱い方は習っている。
だけど、私は銃を誰かに向けて撃ったことはないので、
当てるつもりで放ってもたぶん結果は同じで威嚇射撃となっただろう。
放った銃弾は迫りくるドロイドの頭部の左側を通過した。
だけどドロイド達は歩みを止めることなく、
それどころか銃口をこちらに向けてきていた。
冷静になって考えてみれば機械相手に威嚇射撃なんて、
意味がある筈がなかった。
だけど私にはそのことを理解する余裕なんてなくて……]