[もし取り乱していたならどこかへ去ろうとしていたし、>>+32
それこそ願いをかなえてもらうべく勝手に家出した時の二の舞だ。
だから取り乱さなくてよかったとは思っている。
ヴェルも「ホッとしてる」と言ってくれたし。
あとは……そう。
してほしいことがあるというならやってしまってもいい、
何の足しにもならないかもしれなくとも。
そのことすらも落ち着き払って、できれば笑って伝えられればいい、とも思っていたが]
…………わたしが、
そんな風に思ってなければいい、って、
[ヴェルからすれば背中越しにそんな穏やかならぬ声が聞こえたことだろう。
やがて彼の背にそっと手を当てると、声を聞かせる]