[胸から手を離す。 ぐ、とその手で膝を支えて、丸めて身体を伸ばした] 膝ばっかりついていられないよね。勇者だもん。 ぼくもここで――戦わないと。[何が出来るかなんて、わからないけれど。 屈してばかりいるのは、勇者ではないと。 イェンスに微笑んで、頷いて。 間近にいる魔に、視線を向けた]