[絆石が力を発揮した、その一瞬に手立ては決まった]―――力をここに。[杖を振っていくたびに広間の天井辺り、龍の頭上付近をほぼ中心として、ミリアムが水を元に生みだそうとしているものが形を為していく。それは雲。雨を降らせる灰色の雲。時に雷をも降らせることのできる代物。いくら心が読めたところで、広間全部を雲に覆ってしまえば、逃げ場なんてどこにもあるまい]