― 倉庫>>84 ―[告げた通り、首筋には指すら触れなかった。仔狐を汚す朱と周囲へ散った飛沫とを瞬き一つで拭い去り、ぐったりと伏す背へ衣服を投げ渡す。人型を保てる程度には残した。起きれば自ら整えるだろう] …根源の渇きは、本質を照らす 貴方も見せてくれるな[曝させた膚を辿り、胸の柘榴を牙で暴き、肢体の芯から直に血を奪った。急ぐ狩りではないからと、時間かけて反応を引き出し、血肉を荒らした共喰らい。去り際、とても美味しかった、と囁く声は慈しみすら覗かせて**]