[きっと、自身を赦すということは、本当に、本当に、難しいことなのだろうと思う。
“希望”
そんな風に名付けられていい存在なんかじゃ、ない。
違うと、思っていたい。
赦されてはならないと、傷を抉り続ける手を止めて、目線を上にあげるには、
あまりにも多くの勇気と――あるいは、他の何かが必要だ。
けれど、いま、道の終わりに立って、
心には、どこか解き放たれたような不思議な浮遊感があって。
未だ受け止め、見据えることの出来ないそれを、
今はただ掌に置いて、そっと、温める。
――… 鎮魂の歌声が、空白に、静かに落ちてゆく。]