……………全部忘れてんのか。 しかもトールは故意に記憶消したか。 うらやましいな、こいつら。[大きなため息を吐いて、数歩離れたスペースに、コンロの組み立てをはじめた。自分も忘れられたら楽になれるが、それをしては自分が殺したも同然の教え子たちにも、先に亡くした兄たちにも、申し訳なさすぎる――と。つらい記憶の消去などできない性格だった]