[オットーのことも、わたしのことも知りたいと欲張るフランツに、わたしはどうしたものかと思いました。何から説明すれば良いのか……。フランツの勝手な興味につきあう必要はありません。ただ、彼のそれは良い傾向にも思えました。少なくとも、わたしにとって、その変化はうれしいことでした。*]ようやく、「村長さんとこの息子のフランツさん」じゃなくて一人のフランツという人間と話せている気がするわね。今までのあなたったら、村長さんの言葉の代弁ばっかりで、会話なんかありゃしなかった。