いつの間にか、ベッド脇に落ちていた本は拾われ、書斎の机上に最終章を開いて置かれている。なるほど。この編成であれば、狂人が占い師を騙り狼達は闇に紛れていれば良いのではないか。 占い機能さえ破壊されてしまえば、後はもう口先と運命だけが決めるだろう。それは最初から感じていたことだったが、今日の襲撃を見てほぼ確信した。そして、今日の襲撃が狂人でないことにも同意である、と賭博師を信頼の目で見つめた。――と、うっかり断定的な口調になってしまうが、自信は全くないのだ。 と虚空に向かって呟いた。