[ステファンが5年生の終わりに受けた、エンデュランスの実技試験の日。ナハトフルークに振り落とされたことがあると言うカークに、彼女はバターの香りを嫌うのだと話した。その時は、たまたま朝食にでもバターを口にしたのだろうと思っていたけれど、後に彼の趣味が菓子作りであることを聞いた。その後の生徒会行事や卒業パーティでも、何度もその腕前に頼ったものだ。学生時代の彼に関する記憶は、いつもバターやバニラの香りと共に在った。そしてナハトフルーク号は、一度も彼に近づこうとしなかった]