― 第三エリア倉庫 ―
[そもそも。自身の死体の側から動かなかったのは。
自分は愛されてるのだろうかって、少しばかり心配だった。
――心配だった?
少し言い方が変かもしれない。
ただ、気になって気になって仕方がなかった。]
[死んだおれは、誰かにかなしんでもらえるのだろうか。]
[少し気になっていた。
だけど、もういい。誰が悲しんでいても。
誰がやってきて、べそかいても。
目の前の死んだやつがべそかきそうな顔で笑ってるんだもの。
もういいよ、お前は愛されてなかったかもしれないけど。
もういいよ、お前は確かに好かれてたんだよ。]