――loup-garulf 〜lose control〜――
[レオンの出向期間が数ヶ月延びたのは、病に臥せっていた為。
彼一人の出向であった上自ら現地に赴くスタイルを変えなかった彼は、後先を考えずに行動する嫌いがあった。
母星では見られない珍しい資源や鉱石、薬草等があれば危険を顧みず自ら採取に向かう性質が仇となり。
ネオ・カナンの住人は生まれながらにして抗体を持っている為まず罹らない病であり、命に別条はない病ではあるが、現地でも治療法は限られていた。
更に運悪くシルバー・メリー号が外惑星周航中の為、連絡も取れず医師の派遣も出来ず。
しかしレオンは持ち前の生命力で、現地の医師も驚く程回復力を見せ、病は完治する。
人は一度死の淵を彷徨えば、より生命力に溢れるようになると言ったのは誰だっただろうか。
やがて約8ヶ月の出向期間を終え、母星、そして家族の待つ故郷へと戻ることとなる。
出向による成果も上々、病も完治、体調も良くなり良いこと尽くしの成果を挙げられたと、本人も船員達も歓喜に包まれていた。]